理世の夏休み(その3)
夢の中で
あ、おじいちゃん。
さぁ宇宙レッスンだ、おじいちゃんの後についておいで。
あれぇ、ここはまつ姫のところじゃない。
まつ姫はいつも以上にまるで妖精のようにキラキラとして、天から響くような美しい言葉を唱えています。
松はすばらしい、あなた方人間の生活にはなくてはならない。
日月神示にも書いてありましたよ。
第十一巻 松の巻 第十六帖(三〇七)
火と水と組み組て地(つち)が出来たのであるぞ、土の饅頭(まんじゅう)の上に初めて生(は)えたのが松であったぞ。
松は元の木ざぞ、松植えよ、松供えよ、松神籬(ひもろぎ)とせよ、松玉串(たまぐし)とせよ、松食(お)せよ、いつもかわらん松心となりて下されよ。松からいろいろな物生み出されたのぞ、松の国と申してあろがな。七月の一日、アメのひつ九のか三。
松葉は「仙人が常用していた」というのはご存知かしら。
人間に必要は必須アミノ酸7種類を含む24種類のアミノ酸の成分を含んでいるのよ。
私たち松だからいつもとっても元気だわ。そうまつ姫はいいます。
さぁ、こちらへどうそ。
まつ姫に連れていかれたところには、松の葉が一本一本立って、整列していました。
ようこそ、松のダンスパーティーへ。これから松のダンスをはじめます、と司会の松が言うと急に水が流れ落ちる音が聞こえてきました。
いちばん、水のダンス
松葉さん30本で正二十面体を創っているの。20面の三角形で構成されているわ。
見て、キラキラしてまるで水の粒子みたい。
二番、風のダンス
松葉さん12本で正八面体です。8面の三角形で構成されています。爽やかな風が吹いてきます。
三番、土のダンス
松葉さん12本で正六面体を創っています。6面の正方形で構成されています。ちょっとぐらぐらしていてどっしりとした土のイメージとは違うわ。でも何か大地をイメージさせます。
四番、火のダンス。松葉さん12本で正四面体を創っています4面の三角形で構成されています。火が立ち上がるイメージ。メラメラと熱くなってきました。
五番、スピリットのダンス。松葉さん30本で正二十面体を創っています。空のエレメントを表しているの。スピリットとか電気とも呼ばれているわ。
一番から四番までが揃って、まわりを静電気が覆うと12方向に向けてエネルギーが走りだしました。
理世の体はまるで親指姫のように松の葉よりも徐々に小さくなって、その中心へと入っていきました。ぐるんぐるんと回転して、松の木のいい香りが鼻に入ってきます。その中で風が起きて、風はどんどん強くなってきました。
そして12方向からのエネルギーが中心に集まり、その中心に空ができスパークしたのです。なんと、松のダンスで雷のように光りました。
理世はびっくりして腰を抜かして、そのまま気を失ってしまいました。
気がつくと、かごめ歌が聞こえてきます。
かごめかごめ
籠の中の鳥は
いついつ出やる
夜明けの晩に
鶴と亀が滑った
後ろの正面だあれ
松の葉がまるで人のように、かごめかごめをしています。
あぁ夢か、理世は夢を見ているんだということはわかりました。
<夢か現実か>
山バトが鳴いて、朝になりました。
理世が布団から起きると、松の葉でできた首飾りをつけていました。
びっくりしておばあちゃんに夢で見た松のダンスを見たことを話すと、なーにそれなら話が早いわね。一つひとつおじいちゃんに説明してもらいなさいと言われました。
おじいちゃんは、火も風も土も水もスピリットも創れるの?
と聞いてみると、そうだよ、とあっさりと答えてくれました。
理世はおじいちゃんの部屋をのぞいてみると、趣味で創っている奇麗な作品が、綿棒から出来てることを知りました。
前に遊びに来た時には、もっと小さかったから、全然気がつきませんでした。
ふと壁を見ると、
「僕たちは目に見えない大切なものを、次の世代に手渡さなければならない・・・よろしくネッ!2019.3.11 マリオ 旅の音楽家 丸山祐一郎」
という色紙が貼ってありました。
おじいちゃんと目が合いました。
理世、おじいちゃんは理世に大切なことを伝えたい。受け取ってくれるかな。
でもこれはお話を聞くだけじゃダメなんだ。一緒に創ってくれるかな。
楽しそう!理世創りたい。おじいちゃん教えて。と言うと。
これは教えるもんじゃない、思い出すものなんだよ。
ここからが本当の秘密だ。
じゃあ、さっそく創っていこうか。
うん!
そうしておじいちゃんと理世の形霊づくりがはじまりました。
おわり
ありがとうございました。
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