マリオさんたちとの冒険(1日目)
ふるさと
ふるさとの歌は、冬が深い奥信州で高野辰之が作詞をしました。高野辰之記念館は長野県飯山市の蓮(はちす)というところのお隣にあります。
<集まった仲間たち>
マリオさんとはるちゃんが住んでいる、奥信州の飯山蓮へ私たちは向かいました。マトさんの運転で理恵さんと私、土曜日ということもあって富山と埼玉からもお友達が来ることができて、総勢7名が現地に集合しました。
郵便局だったお家は、まるでギャラリーか博物館のように世界中から集まってきた楽器やおもちゃに囲まれていて、そのすべてを愛しているマリオさんによって、息が吹き込まれて並んでいます。
書家でもあるはるちゃんはDIYの天才で、壁のペイントがびっくりするくらい美しい仕上がり、ご自身の書を飾ってある洗面所、使いやすいキッチン、押し入れの扉まで何でも作っていて、素敵な手作り空間です。
さいきん新しく加わったのは、葉っぱが音楽を奏でてくれるという楽器で、マリオさんとはるちゃんの演奏に合わせて歌ってくれるのです。私たちがお邪魔したときには、ちょっとびっくりしたのか挨拶だけして、しばらく黙っていました。夜には夜の、朝には朝にぴったりの音を奏でてくれます。
埼玉から来た美香ちゃんの娘さんがウクレレを貸してもらい、みんなで田んぼを散歩しながら、お目当てのお店へ昼ご飯を食べに向かいました。田んぼの目の前にそびえたつ高い山は高社山(たかもりやま)、まわりをぐるっと山に囲まれて千曲川が流れる盆地。空は真っ青で何とも気持ちの良い風が吹いています。
<森の食堂 ベッポ>
緑色の屋根のお家が見えてきました。そこがお目当てのレストラン。ベッポと書いてあります。ベッポの店主によると今日白鳥を見かけたから、もしかしたらまだ会えるかもしれません。
まわりは山と田んぼだけど 森の中にひっそりとあるような 洋食のメニューが中心のお店です ベッポという名前は 童話「モモ」に出てくるおじいさんから
私の大好きな「モモ」のお話のベッポでした。時間泥棒に時間を盗まれてしまうという、時間の不思議をモモという少女が旅して突き止めていくお話です。
お料理は洋食のメニューで、私は特製オムライスをいただきました。ナポリタン、ブッタネスカ、カレードリアなどみんな美味しそうでした。
飯山に来る途中に松代のあたりを通っていたときに、松代大本営の話になって明日は東京大空襲だね、明日はそこへ行かなくちゃと明日の予定が決まりました。
このあとは富山のゆきちゃんも地震が気になるというので、ご飯を食べたら治めに行こう、ということになりました。
<高社山へ>
マリオさんから美しい白鳥の羽を理恵さんがもらって、それぞれウクレレを手に高社山(たかもりやま)の高社神社へ向かいました。この旅に行くときに、私は笛を持って行きました。
途中神社の手前のガードレールにマリオさんの愛車ランクルが左後部をかすめてしまい、ボディの一部が落ちてきました。今まで50万キロ近く走行していて、こんな出来事はなかったと話すように、愛車が全てを引き受けてくれた厄落としのようなことが起きてしまいました。
演奏の場所は山道を10分くらい雪と解けた水でぬかるんでいる足元を慎重に進んでいくと、突如として野ざらしになっている十体の黄金の巨大な像があるところでした。富山の向きを考えて一番奥におられる千手観音の前で音楽を演奏することになりました。
八人のセッションの本番はすぐにはじまり演奏している途中に、富山方面に向かう新幹線が通り、雲はどんどん表情を変えてまるで龍のように四方八方から富山に向かって流れていくのです。
マリオさんとはるちゃんの旋律とみんなのウクレレの音に、全身を耳にして周りの音に合わせるというふうにしましたが、後から聞くと白鳥の鳴き声のようだと言われました。自分でもよくわからずに吹いていたのです。
最後の曲が終わって全員が空を見上げると虹が出て、その虹の部分が目となって、口から吐き出しているような龍の形が現れました。願いは通じた、そんな風に感じられた瞬間でした。
お家からちょっと離れたところに白鳥が来ていました。外に出てやっと一羽見ることができました。白鳥の羽根をマリオさんからいただいて、大切にしまいました。
ここで富山のゆきちゃんとはお別れ。美香ちゃんたちは車中泊できるように用意してきたので、マリオさんの駐車場に泊まることになったのです。馬曲(まぐせ)温泉は山の方へどんどん上っていくところで絶景の露天風呂があります。暗くて外は見えなかったけれど、星がたくさん流れ星も見えたそうです。オリオン座とほかの星たちが輝いていました。
お家へ戻ってきてから、はるちゃんの手料理をいただきました。ピーマンの焼き漬け、ポテトグラタンは自家製ベーコン入り、栃尾揚げの焼いたの、ごぼうの揚げ焼き。マトさんの大根の漬物。豚肉のお鍋。お嬢さんたちは疲れて寝てしまい、大人だけの宴は続きました。
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